★監督日記★ 2016年1月~8月

お待たせしました。
「チャルカ」制作で忙しく、しばらく更新できなかった「監督日記」ですが、8月までのおもな出来事をようやくまとめることができました。

島田恵

1月23日 土岐市勉強会
岐阜県瑞浪市には、高レベル放射性廃棄物の地層処分を研究する日本原子力研究開発機構の「超深地層研究所」がある。北海道幌延町の「深地層研究所」と共に、日本に二つある高レベル処分のための研究施設の一つだ。土地賃貸契約期間終了後は、500m まで掘られた立坑を埋め戻すことが決まっているが、隣接する土岐市の地科学センターで、NUMO(原子力発電環境整備機構、放射性廃棄物処分の実施主体)が共同研究を始める計画が明らかになった。この地域が将来高レベルの処分場になるのではと懸念する市民グループが、この日勉強会を開いた。東濃地域での地下研究は1962年にウラン鉱山が発見された時からと古い。「簡単に手放すことはない」と地元の人たちは警戒している。

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地元の市民や議員たちが、活発に意見を交わした

2月27日 練馬上映会
練馬区の南田中図書館で「福島 六ケ所 未来への伝言」を上映していただく。久しぶりの上映会だ。こちらの図書館では、年に数回映像文化評論家の四方繁利さんを講師に「映画から環境を考える会」を開催していて、この映画を選んでいただいたのだった。六ケ所村の写真パネルも展示していただく。我ながらなつかしいモノクロの写真たちだ。図書館ということで小さな会場だったが、みなさん熱心に見てくださり、「六ヶ所村の前身(石油コンビナート予定)が初めて理解でき、大変見ごたえがあった」等の声をいただいた。

3月11日 旭川上映会
北海道の旭川平和運動フォーラムの方たちが、3.11 の関連イベントとして「福島 六ケ所 未来への伝言」の上映会を開いてくださった。豊富町の久世薫嗣さんと一緒に、娘さん夫妻の車に乗って行く。お昼はご当地の旭川ラーメン。久世さんは幌延の状況と、この春から本格的に受け入れを始める福島の子供たちの保養について話をされた。3月の北海道はまだ雪の中。夜の開催にもかかわらず、100 人近い方が来てくれた。「チャルカ」の制作も頑張ろう!と励まされ東京へと帰ってきた。

6月11日~12日 鹿児島県南大隅町
久しぶりの南大隅。地元で環境問題や高レベル廃棄物処分場の反対運動をされているいくつかのグループが集まって、一つの会を結成することになり、その集まりに参加させていただく。南大隅町は、前浜ではウミガメが産卵し、有数の照葉樹林が広がる自然豊かな地域。ここも高レベル放射性廃棄物の処分場に狙われている一つだ。ちょうど鹿児島県知事選挙があるときで、みなさん、地元での反対運動はもとより、脱原発を掲げている知事候補の応援を熱く語り合っていた。(その後脱原発の知事が当選!)
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広大な照葉樹林が残る南大隅町。手つかずの自然が残されている数少ない地域。

7月26日~8月2日 北海道豊富町
今年も「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」に参加。今回の講演会はモンゴルがご専門の大阪大学今岡良子准教授が、モンゴルにおける核のゴミの動きを話された。モンゴルは日本の核のゴミを持っていくという話が取り沙汰されたところ。私も今岡先生との再会を喜び、あらためてモンゴル訪問を実現したいと願い出た。この前後には、久世さんたちが始めた「自給のむら」に保養に来ている福島や関東の子供たちの様子を撮影。数日前にこの子供たちを羽田から飛行機に乗せる「送り出し」のお手伝いで、みんなに会っているので懐かしい?再会。たった数日なのにグンと逞しくなっている子供たちに感動。自然の力はすごい!

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「自給のむら」に保養にきている子供たち。うどん作りで小麦粉を楽しそうに踏む。

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4月17日、画家の貝原浩さんの「風下の村」原画展、トークイベントに出演した島田監督(左)

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